[AI CENSORSHIP BLOCKED THIS CHUNK - RAW ENGLISH RETAINED]
俺自身は、直接見たことはなかったけれど、でもきっと、俺を知っている人間なら、見たことがあるはずだ。
そう、それは……
「だよなっ、だよなっ!?菜々美ちゃんすっげぇ萌えるよな!?」
俺だ。
「もう激萌えですっ!結婚した! わたし菜々美ちゃんと結婚しました!」
「おめでとう……結婚おめでとう出海ちゃんっ!」
「ありがとうございます倫也先輩!」
猛烈に湧き出るシンパシーに促されるまま、俺は出海ちゃんと固く手を握り合う。
そうだ、今の出海ちゃんは、まさに俺だ。
掛け値なしに、俺とタメを張る、超ポジティブ妄想系オタクなんだ。
ならば、手加減は無用だ……
「だがな出海ちゃん、この程度で死んでたら、ここから先、体がもたないぞ?」
「こ、この後もそんなに凄いんですかっ!?」
「ああ、何しろこれは初エッ……イチャイチャシーンでエンディングを迎えるようなエロ薄……いや萌え薄ゲーじゃない! これから何度も何度も同じCGとテキストを使い回したエッチシー……イチャイチャシーンが繰り返されるんだ! 君にそれら全てを受け止める覚悟があるか!?」
「大丈夫ですっ! わたし延々と転がり続けます!」
「よくぞ言った! じゃあ次からは俺も転がるぞ! 覚悟しろ出海ちゃん!」
「先輩こそ、しっかりついてきてくださいね!」
「それはこっちの台詞だぁぁぁぁ~!」
さっきまで恥ずかしがってネタ解説をしていた自分が恥ずかしい。
一人でプレイしていたら、俺だって出海ちゃんと同じことをしていたはずじゃないか。
だったら、二人でやれば、最強に決まってる……
菜々美『ね、せんぱぁい……まだ朝まで時間ありますよぅ? だから、も一度、ね?』
「「ああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ」」
※ ※ ※
菜々美『け、健二先輩……その、先輩も、目、閉じてくださいよぉ』
「…………(ぼぉ~)」
「…………」
「……ねぇ、先輩」
「……ん~?」
「……これで何度目ですかねぇ、このシーン」
「五回目から数えるのをやめた……」
そして、土曜の午前六時。
空が白みかけ、外からスズメやハトの鳴き声が響き、街が起き始める頃……
「そろそろ菜々美ちゃんに言われるまま、リアルで目を閉じてしまいそうです~」
「だから言っただろ、ずっと同じシーンが続くって~」
菜々美個別ルートは、まだまだまだまだ続いていた……
朝、菜々美が家まで迎えに来て、手を繫いで登校して、学校に着いたら友人たちに冷やかされて、お昼休みは屋上で彼女の手作り弁当を『あ~ん』と食べさせてもらい、放課後には主人公の部屋で、夜遅くに彼女が帰るまで〝二人きり〟の時間を過ごす。
……そんな変化のない日常を、そろそろ一か月続けている。ゲーム内時間で。
「で、これだいたいどのくらい進んだんでしょうか?」
「微妙にネタバレするけど、このまま同じことが起こり続ける日々をあと一か月近く続けたら、『そして数年後』って表示されて、そこからは一瞬でエンディ……」
「あ~、その先は言わなくていいです~。最低でもあと二時間は続くってわかっただけでお腹いっぱいです~」
「頑張れ出海ちゃん……」
「まぁ幸せだからいいんですけどね~」
「そうだな~」
で、この、共通ルートなど比較にもならないぬるま湯の極致に延々と浸かり続けた結果、出海ちゃんはとうとうふやけてしまった。
ぼぅ~っとベッドに預けていた背中はずりずりとずり下がり、もはやその姿勢は寝転がっていると言っても過言ではない。
「もうエッ……イチャイチャシーンの台詞、全部覚えちゃいましたよぅ」
「台詞の数そのものは多いけど、パターン少ないもんな~」
まぶたはすでに、菜々美ちゃんに促されたせいか半分閉じかけていて、果たしてもう画面を見ているのかどうかもわからない。
「お~い、ゲーム進めろよ出海ちゃん~、四八時間ぶっ続けで頑張るって意気込みはなんだったんだ~」
そしてとうとう、出海ちゃんの手から、コントローラーがぽろりと零れ落ちた。
「何言ってるんですか、進めてますよ~」
「噓つけ~」
「ほんとですよ~」
テレビ画面のメッセージウィンドウは動かなくなり、微妙にムーディーなBGMだけがループする。
「菜々美ちゃんの台詞が流れてこないぞ~」
「何言ってるんですか、流れてますよ~」
出海ちゃんは、駄々をこねるように俺に反論するけれど、もはやその顔を上げることもできず、床に突っ伏したまま復活する気配はない。
「とりあえず、寝るならベッド使うか、毛布でも掛けろよ~」
というわけで、どうやらギャルゲー四八時間マラソンは、一時中断を余儀なくされそうな状況となり。
俺は、出海ちゃん用の毛布をクローゼットから取り出すために立ち上がろうとして……
「『せんぱぁい、好き、大好き』」
「ぇ……?」
そして、ゲーム再開の鬨の声を聞いた。
「『うん、そう……こうやって、ぎゅって、してください』」
「い……出海ちゃん?」
けれどその声は、テレビのスピーカーとは違うところから流れてきて。
そしてその声は、菜々美役の声優さんのそれじゃなかった。
「『先輩、あったかい……それに、いい匂い、しますぅ』」
「ちょ、ちょっと!?」
その、甘えまくったような声が漏れ出てくる場所……俺の隣に寝転がる出海ちゃんを見下ろすと、相変わらず顔は床に突っ伏したまま、けれどその手は、立ち上がりかけた俺のシャツの裾をきゅっと摑んでいる。
「ほらぁ、まだゲーム続いてる~、でしょぉ?」
「あ……」
つまりこれは、要するに、出海ちゃんの言い訳だ。
「じゃあ、続き行きますよぉ……『ね、先輩、わたしたち、これで何度目でしょうね? 何度、抱き合ったんでしょうね?』」
画面(じゃないけど)から、菜々美ちゃんの台詞が流れ続けていると。
自分は寝落ちしていないと。ちゃんと宣言通りゲームを続けていると。
そう、見苦しい言い訳をしているだけで。
……ただ、その言い訳が甘過ぎるだけで。
「『ね? 倫也先輩?』」
「いやそこ健二先輩でしょ!?」
「違いますよぅ、そこは『おいで、出海ちゃん』でしょ?」
「違うよぅ! せめて『おいで、菜々美ちゃん』でしょ!?」
「んふふ~、わかりました~♪」
「う、うぉぅ……っ」
出海ちゃんの手がゾンビのように伸びて、立ち上がりかけていた俺を、ふたたび床へと引きずり下ろす。
そして、ぺたんと座らされた俺の膝の上に、ちょこんとその頭を乗っけてくる。
さらに、その体勢のまま、首をふるふると振って顔を埋めてくる。
というわけで、俺の膝から下は、諸事情により、むにゅむにゅ、ぷにぷにとしか形容のしようがない感触に包まれ、俺はもはや立ち上がることも、ずり下がることも、動くことすらできない事態に……
「『ね、先輩……なでなでしてください、よぉ』」
「な、なで……っ!?」
もうこれは、わかってやってるのか、夢うつつなのかすらわからん。
「『いいこ、いいこって、してください、よぉ』」
そう、俺には何もわからない。
ただ一つ、わかることといえば……
"İ... iyi çocuk, iyi çocukkkkkkkkkk...!"
Şımarık Kouhai'ler en iyisi... hayır, Kouhai karakterleri en iyisi.
Ne ihanet ne de sevgilisini çalma ne de zorbalık var, hiçbir derdi olmayan en iyi flörtleşme.
"......Uhm, günaydın Aki-kun?"
"Yo, Katou."
"............ (Hırrr, hırrr)"
Cumartesi, sabah saat on.
Güneşin tamamen yükseldiği, şehrin nefes almaya başladığı ve hafta sonunun tam anlamıyla başlamak üzere olduğu bir vakitti.
"Dün gece, Izumi-chan'dan bir oyun yayınına benzer bir mesaj gelmişti, o yüzden bir halini hatırını sorayım diye geldim aslında."
"Sağ ol."
"............ (Hırrr hırrr hırrr~)"
Ekranda, gözleri kapalı hareketsiz duran Nanami-chan ve durmaksızın döngüye giren, hafifçe duygusal bir fon müziği.
Ve gerçek hayatta, gözleri kapalı hareketsiz yatan Izumi-chan ile alt bedeni onun tarafından sıkıca tutulmuş, kımıldayamayan ben.
Zamanın durduğu hissini veren odamı nihayet hareketlendiren şey, başkasının evine son derece doğal bir şekilde girip, odamın kapısını da sanki çok normalmiş gibi açan o ziyaretçiydi.
"Peki, bu durum..."
"Durumu merak ediyorsan Izumi-chan uyanınca ona sor. Ben mazeret sunmam."
"............ (Pofurrr~)"
"Bu kadar dürüst olman da tersine 'ne bileyim ben şimdi' dedirtiyor insana."
"Zaten bir yanlışlık olduğunu düşünmüyorsun, değil mi?"
"Oldu mu?"
"......Pek sayılmaz."
"Evet, biliyordum."
"Ha, öyle mi."
"............ (Hehe~)"
İki boyuta olan aşkımın derinliğine mi inanıyor, yoksa üç boyuta karşı olan beceriksizliğimi mi küçümsüyor... Hayır, muhtemelen, hatta kesinlikle ikincisi.
"Ama Katou... Ben bugün önemli bir şeyi fark ettim. Daha doğrusu uyandım."
"Hımm. A, sahi, Aki-kun da Izumi-chan da henüz kahvaltı yapmadı, değil mi?"
"......Neye uyandığımı sormayacak mısın?"
"A, duymak mı istemiştin? O zaman buyur."
"Gerçekten de, sevecen Kouhai Başrol Kadınlar çok tatlıymış... O sevimlilikte iki boyut ya da üç boyut diye bir şey yokmuş...!"
"Neyse, ben yine de sandviç hazırladım, o yüzden artık Izumi-chan'ı da uyandırıp kahvaltı yapalım mı?"
"O kadar da küçümsemeseniz olmaz mı Katou-san!?"
Bölüm Tartışması
0 yorumHenüz yorum yok. İlk tartışmayı sen başlat.